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仏説摩訶般若波羅蜜多心経 日本語私訳

仏説摩訶般若波羅蜜多心経(ぶつせつまかはんにゃはらみたしんぎょう)

叡智をそなえた聖なる一切の智者をよりどころといたします。

観自在菩薩様は、それは偉大な賢者であられました。観自在菩薩様は普段の暮らしの中で、深くて尊い、何ものをも超えた智慧の境地に到られて、透き通すように物事の本質を見抜いていかれたのです。そして、我々の世界のすべてのものが空の真理の中で「仏の御いのち」に生かされて、光輝いていることを見通されました。そして、軽々と心豊かに生きていく道しるべをお示しくださいました。

観自在菩薩様は、仏弟子のシャーリプトラに語られました。
シャーリプトラよ。
この世のもの、形あるものすべては、移り変わっていくものである。だからとらわれすぎてはならないのだ。だが、この世を離れての真実などあり得ない。すべてのものが変化し移り変わっていくが、そこに執着しない時に「空の真実」が開かれてくるのだ。あなたを離れて仏はなく、「仏の御いのち」は、あなたから離れて存在しない。このように深く洞察されるならば、すべての言葉も行動も心の働きまでも悉く水準が上がり、仏の道へと進化するのである。

シャーリプトラよ。
目に見える世界は、すべてのものが変化し生滅を繰り返し、あなたの心には是非善悪の分別が生まれるだろう。だがしかし、超越的な智慧の眼を開いて深く洞察すれば、この世のすべてのものは、永遠に変わることはなく、透き通ってもいないし濁ってもいない。不足してもいないし、有り余ってもいない。そこには何のくったくもない円かな世界が開かれている。身も心もやすらぎ、広大な仏の慈愛に満ちていく。

超越的な真実の智慧は、目に見えない世界を見すえ、五感を超えた声なき真理の声を聴く。心が動かないため、知識もなければ、無知もない。知識の破壊も無知の破壊もない。老いの生滅も死の生滅もない。苦もなく、苦の消滅もない。捨てねばならぬ迷いもなく悟りさえ求める必要がない。すべてが本来のままでいい。「本来の自己」を生きるのだ。

超越的な智慧に生きる菩薩は、心を覆う思い込みや信じ込みをすっかり捨て去ってこの世を生きる。心に何もさわりがないため、何事にも心が煩わされることはなく、幻想や欲望を克服して涅槃の境地に達している。

過去・現在・未来の真理に目覚めた者たちは、超越的な叡智の境地にあるため、永遠のやすらぎを得て、いつの世でも変わることはなく、究極の悟りの状態にある。

ここで知るべきなのは、超越的な叡智の偉大なマントラ、大知識のマントラ、一切の苦悩を除く比べようのない究極のマントラである。このマントラは、超越的な叡智の次元を指し示し、一切の迷いと妄想を超越してすべての苦悩から解放させる。「仏の永遠のいのち」に目覚めるのだ。

そのマントラがこれだ。

感覚や心の次元を超えた境地に行ったら成就していた。(ガテー)

また、そこに行ってみたら成就していた。(ガテー)

感覚と心の次元を超えた彼岸の境地に行ってしまったら成就していた。
(パーラーガテー)
そして、とうとう完全な超越的境地に到達したら、すでに成就していた。
(パーラサンガテー)
宇宙の真理は、ほんとうに素晴らしい!!!
(ボディ スヴァーハー)

ここにて般若心経は終わる。

参学寺住持 橋本法明訳