なぜ、梵語般若心経なのか

なぜ、梵語般若心経なのか

人生には様々なことがあります。そして人はそれぞれに心の拠り所を求めています。この混迷の時代、以前にも増してその心の拠り所として仏教の考えが注目されています。
経営者が座禅に取り組み、若者が仏像めぐりをする昨今、写経する人も増え、お遍路さんツアーが多数企画されている事実を見ても、仏教に人気が集まっていることがよく分かります。
経営破綻した大手企業の立て直しのために、ある経営の神様は仏教の教えにもとづいた社会貢献の考え方を理念として全身全霊で尽力されていると聞きました。もはや従来の利潤追求や効率優先では再建できないことを深く理解されての行動と察します。

お釈迦様のドラマチックな生涯や、後世に伝えられた教えは、悠久の時を超えて現代を生きる私たちの胸を打ちます。
お釈迦様の元々の教えは、こだわり(執着)を無くし、今、目の前のやるべきことをしなさいと言われています。人間に纏わりつく幻想を徹底的に剥ぎ取り、自由になることを教えているのです。思想的には非常に強烈で、生命力を放ちつつあります。
仏教はインド思想の一部であり「森」の宗教です。お釈迦さまは、「森」で瞑想して悟りを開かれました。森で瞑想し森と一体となって、お釈迦様は縁起の法に目覚められたのです。森は山川草木や虫や動物が相依相関(お互いに支え合っている)して成立しています。森羅万象に宇宙の形なき命が宿っているのです。「縁起の法」が「空」の思想に発展して、仏弟子たちが漢訳大般若経600巻(480万字)にまとめられました。しかし、大部すぎて専門家にしか読めないのです。そこで天才的な宗教家が、「般若心経」として誰にでも読める270字前後(漢訳の場合)の長さの中に、「空」のエッセンスをちりばめ一瞬にして直観で書き上げたのです。しかも、その旋律は人々を癒し魅了し思わず口ずさみたくなるような親しみのもてるメロディでした。しかし録音機器のない時代で、インドから中国~日本に伝わるうちにオリジナルの唱え方は伝わることなく現代に至っています。

参学寺の住職橋本法明師は、インドの僧侶がインド古代言語のサンスクリット語で唱えた般若心経を聴きました。そしてその旋律の素晴らしさからこれを唱えたいと思い、録音された音声を手に入れました。サンスクリット語研究者の長谷川澄夫氏との出会いにより正しいサンスクリット語の発音とデーヴァナガリ文字に直し、更には日本語に訳すことができました。また、アニル・ヴィディアランカール博士の講義でここにはインド思想のエッセンスが書かれていることも分かり驚愕したのです。「これを皆に聴いて欲しい。」「後世に残したい。」「長年伝わってきた釈迦の真の教えを伝えたい。」この3つの熱い理念から出来上がったのが、この梵語般若心経CDです。
今回、梵語般若心経CD製作実行委員会がリリースした梵語般若心経は、梵語般若心経の素晴らしい旋律を現代に蘇らせました。しかも、日中印の3か国の般若心経を尺八とギターとシタールとコラボレーションし、その芸術性(音楽性)の可能性を開拓いたしました。今まで仏教に関心のなかった多くの方々にも、新たなヒーリングミュージックの一分野として関心を持っていただけたら嬉しく存じます。

梵語般若心経CD製作実行委員会


お釈迦さまは、「森」で瞑想し地球と一体となってディープ・エコロジカル・エンカウンター(深い生態系との出会い。精神科医加藤清氏)を体験されました。お釈迦さまの仏教思想は、「環境問題」や「平和問題」に大きく寄与できる思想であると私は確信しております。梵語般若心経の卓越した癒しのメロディが世界中の多くの方々の心に届き、森羅万象が重々無尽に支え合って存在していることを説いた仏教思想に関心を寄せていただけたら仏弟子としてこれほど光栄なことはありません。環境問題や紛争が絶えない世界中の深刻な情勢を知るにつけ、一刻も早く山にも川にも草にも木にも宇宙のかけがえのない命が宿っているという仏教思想が広まっていくことを願わずにはいられません。
地球上でもっとも悲惨なことは、小さな子供たちが毎日3万人も飢餓で亡くなっているという状況です。年間1000万人もの小さな命が食べ物もなく死んでいく現状は、経済戦争と呼ぶにふさわしいものです。 参学寺では、梵語般若心経CDの売り上げの一部を飢餓で苦しむ子供たちの非常食にご寄付させていただきます。今年は2万食を目標にしております。マザーテレサは「愛」の反対は「無関心」だと言われました。「愛」の反対は「憎しみ」ではなく「無関心」だという言葉に、私は衝撃を受けました。つまり、「愛」するということは「関心を持つ」ということです。地球的な広い視野と規模で、物事を考えることのできる成熟した人財がたくさん輩出されることを願ってやみません。
そんな成熟した大人が学べるハイクオリティな『生き方講座』を梵語般若心経CDをご縁にして開催いたします。原典の梵語般若心経の深い意味を知りたい、私も梵語般若心経を唱えてみたい、というご希望にお応えする『梵語般若心経セミナー』も併せて開催いたします。是非、奮ってご参加ください。心よりお待ち申し上げております。

参学寺住職 梵語般若心経CD製作実行委員会会長 橋本法明